日々の投げ入れ箱

　名護市市長に、辺野古基地建設大賛成派の自公市長が”5085票差の大差で”当選したという。
　5000票が大差？！　19000と14000の差が大差というのは今もって納得しがたいけれど、投票率は過去最低とはいえ、他の地域の市長選では見たことのない68・32％（前回76・92％）だと聞いて、少なくとも名護市民は基地建設に賛成なんだろうということだけは、理解した（つもり）。

　新聞記事によれば、住民の多く（？）は、条件付きで建設に賛成だそうで、でも、反対でありながら、移設反対の市長が誕生すると、国の米軍再編交付金の支給が凍結され、振興事業が中断する可能性があるという理由で、自公候補者に投票した人もいるとか。
　絶対反対派もいるし、（自公市長みたいな）大賛成派もいるし、条件付き賛成派もいるだろう。
　名護市民が、本当は大賛成なのに、賛成も反対も口にせず、黙って基地建設を推進しようとする市長を信じる程度の頭しか持っていないのなら、それはそれで仕方ないけど、本当は反対なのに、「国の米軍再編交付金の支給が凍結されるから」反対しないというのは、間違っていないだろうか？（確かに基地を建設しないなら、再編交付金は支給されないだろうけど・・・）

　反対なら反対と言わないとだめだと思う。
　それによって、愚民党が、交付金を支給しないとか、何か嫌がらせをするのなら、訴えてもいいのではないだろうか？
　地位協定の改定の申し入れもせず、国民の命を危険にさらし続ける輩をなぜ訴えないのだろう？
　米軍兵隊たちの愚行に対して、毅然とした態度で臨まず、コロナをまき散らし続けるのを指をくわえて見ているような輩をなぜ訴えずに、反対派をトップにしたら、○○してもらえないと、自分たちの権利を踏みにじられるのを許して、追従するようなことをし続けるのだろう？

　個人的には、普天間基地は移設せずになくせばいいと思うし、環境破壊を国を挙げて推進するなんて、愚の骨頂だから絶対反対だ。
　でも、それでも、基地の移設にも、沖縄に基地があり続けることにも賛成の人はいるだろうし、沖縄県の過半数が、基地反対の知事を選んでも、市町村単位では、名護市のような賛成多数の市民により、賛成派の市長が選ばれることもあるのも事実。

　結局、沖縄県民は、基地に賛成なんだろうか、反対なんだろうか？
　その地に住む人たちが賛成なのに、私が反対しても、それこそ仕方ない。もちろん、そこにはたとえ少数でも反対する人がいれば、私は応援するが、でも賛成派によって自治が進む地域でできることなど、何もない。
　当事者らの問題であり、それに口を挟むことはできないのだけれど、でも、それが結果として、その人たちの権利や気持ちや、命までもを危うくするとわかっているものを、黙ってみているのは、とてもとても辛いことだ。