やはり、「老人は死ね」な国?2008/08/03 22:05:02

 先日98歳になった祖母が入院しているのだが、今いる特別養護老人ホームを追い出されそうになっているらしい。
 実際に追い出されるのかは知らないが、ホームの人と話す度に「早く出て行って下さい」と言われているらしく、面会に行くのも辛いと伯父夫婦が言っていた。

 事は、去年の夏に遡る。
 肺炎で緊急入院したはいいけれど、治ったかなと思った頃胆石が見つかり、それが原因かどうか、熱が出たり引いたりを繰り返しているうちに、すっかり歩かない生活をしてしまったので、リハビリをしてもなかなか元に戻れなくなってしまったようだ。
 車椅子の生活を受け入れられる家ではなく、発熱もあったので、しばらくは病院にいたようなのだが、胆石は年齢的に手術は無理だと判断され、治療ができないのであればここにいられても困るということで、いったんは病院の系列の老人ホームに入所し、さらに今のところに移ったらしいのだけれど、新たな病気(癌?)が見つかったとかで、「ここは病院でないので、発熱だけでも出て行ってほしい」と言われたらしいのだ。

 といって、その老人ホームでも、市でも代わりの施設を探してくれるわけでも、情報を持っているわけでもないのだ。
 その上、惚けてもいない(多少言うことがあやふやになっているけれど)、歩けないだけで身の回りのことは自分でもできないことはないということで、要介護認定が5から4に引き下げられたために、さらに入所できる施設が少なくなってしまったらしい。
 だから、伯父が必死になって探しても、なかなか条件に合う場所が見つからず、あったとしても費用がものすごかったりして、どうにもならないようなのだ。

 よく聞いてみると、胆石にしても癌にしても、本当にそうなのかもわからないということなので、一度検査入院をして、きちんと調べてみたほうが良いと思うだけれど、今は入院も一カ所には3カ月が限度で、治らないようなら次を探さなければならないということで、もし検査した結果、病気が見つかって手術ができないようであれば、3カ月ごとに次の病院を見つけなければならないし、かといって、病院付き(?)のホームもなかなか入所できないようだし、どうにもならない、というのが現状なのだ。

 なぜ国は病人を受け入れられるような施設を作らないのだろう。看護士の数が足りないという理由もあるだろうけれど、病院でも受け入れない、老人ホームでも受け入れない、となったら、病気の老人はどこへ行けばいいというのだろう?
 施設の情報ということでも、市なり老人ホームで情報を持っていればいいのに、そういう連携を考えないのはなぜなんだろうか?
 市や保健所で、そういう相談に乗るところを作らないのはなぜなのだろう?

 後期高齢者医療制度もそうだけれど、「金のない老人はいらない、病気の老人もいらない、どうにもならないなら死ねばいい」
 国がそんなことを平然と言う状況を見過ごすしかない自分が虚しいと感じることもあるけれど、私は彼らを選んだこともないし、彼らの施策を支持したこともないから、やっぱり許せない。
 健康でいられなければ本人だって辛いだろうし、多少のお金を取ることも必要なこともあるだろう。けれど、せめて「病気になって悪い」などと思わなくて済むような制度とそれに伴う施設をつくりなさい!